毒雲日記

冴えないワ・タ・シのポイズンダイアリー

お前の仕事は輝いているか。

今日、友人にそんなことを言われた。

彼と僕は別の会社だけれど、同じような工場に交代勤務している。二人の違いは、彼は学校を出て直ぐ工場に、僕は夢を追いかけて色々あって工場に。彼は仕事ができて、僕はできない。彼の会社はヒャッハーで、僕の会社はヒデブー……そんな感じだ。

最近、彼は投資をやっていて、その関係で勉強会やらセミナーに行っているそうなのだ。多分、そこでネタを仕込んだのだろう。

要するに、嫌々で仕事することは、人生の無駄だ。社会人として、自分の全てを捧げられるようなことをしよう、ということらしい。

 

 10年前、大学の講義でこんな質問があった。

「君たちは、将来職業に就く時、自分だけにしかできないスペシャリストになりたいか。それとも、誰もができる汎用的な仕事につきたいか」

 

愚問……と思った。

スペシャリストになりたい人、と挙手を問われ迷わず答えた。

周りの学生は、ぱらぱらと手が上げた。「あまりにも当たり前の質問で、手を上げないのか。やる気ない連中だ」と思った。

次に総合職の人と問われて、音なんかしなかったけど、「ぶわッ」と学生たちが手を挙げた。眠っていたり、講義を聞いていないヤツが1割、専門職希望が1割、総合職希望が8割といったところだった。

 

これには結構な衝撃を受けた。馬鹿にするつもりはないけれど、希望の話だったら専門職だろうと。誰にもできない、自分だけの技能で給料ガッポガッポで感謝される。最高じゃないか。20歳のみそらで、何を安定指向でいるのだ! と思った。

結論から言うと、地に足付いていなかったのは僕のほうだった。根拠のない万能感に酔いしれていたのは僕だった。

 

だけと、才覚が明らかに人より抜きん出る人が、僕の周りに沢山いる。そんなオーバースペックな人が、場違いな職業に務めているのを残念に思っていた。記事冒頭の彼もそんな一人だった。彼がそういう風に「目覚めた」ことは嬉しく思う。

だけど、仕事ができず、会社の業績がヒデブーでも、十分に幸せな僕の仕事を否定しないで欲しい。全員がスタープレーヤーなんてありえない。地味でも、代わりのきく仕事でも、やらねばならない仕事がある。輝かなくたっていいじゃないか。オフではヒャッハーしてるんだぜ。

 

新 13歳のハローワーク

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