「服を着るならこんなふうに」を読んだ。
無料で読めるので、自称ミニマリスト(おしゃれなケチ)の人もオススメだ。
主人公が、かつての俺か! ってくらい身に覚えのあるエピソードがあり、ドキッとした。
店員に話しかえられると挙動不審になるし、試着なんて大嫌いで、勧められるままに買った着れない高い服や、サイズの合わない服を買った経験があった。
そんな自分が、この漫画を読んで言語化出来てなかったけれど、「それ実践できてるな」とか、「そうじゃない」とか自分なりの意見も出てきて、自分も変わったな〜、なんて思うし、実際ファッションを楽しめているな、と感じる。
コンプレックスを抱えたままよりも、街に出たり人に合うのが楽しくなるので、ファッションの知識を増やすのは良いことだと思う。
とは言え、漫画のようにファッションに詳しい妹や女友達が居るなんて、都合の良い状況に恵まれない人向けに、自分がヤフオクを使ってファッション嫌いから好きになった流れを記事にしようと思う。
漫画のように論理を身に着け、ベーシックなアイテムから揃えたほうが失敗がないし、安定感があるかもしれない。でも、それってファッションが楽しんでるって感じじゃないんだよな。傷つかないように、無難にこなしてるだけって感じで。個性も育ちにくい(個性的なアイテムが好きってわけではなく、応用力がないという感じ)から、面白くないんだよな(漫画の中に似たようなエピソードあった)。
目覚めるまで
冒頭に書いたとおり、僕はファッションが嫌いで苦手意識があった。着れればいいや、ってくらいでサイズが合わない服を着ていた。まわりの友人は服が好きな人間が多かったけれど、急に目覚めるのは気恥ずかしいので、なかなか踏み出せなかった。成人するまでそんな感じだったと思う。
最初の切っ掛けは、アウトドア(登山)に興味を持ったことから始まる。
アウトドアの服というのは、流行や主観でかっこよさが変わる曖昧なものではなく、実用性、スペック表で良さがはっきりと表現できる。耐久性、耐水性など。これがひとつのパラダイムシフトであった。単純に良い性能のやつはカッコイイ。指標としてこれほど簡単なものはない。
しかし、良い性能のものは高い。
なのでヤフオクを利用することにした(古着はねーわ、って人もいるかもしれないが、沢山買って沢山着て、沢山失敗するのが一番良いと思う。それは学びだ。最初から抜群のセンスを持った人間なんて居ないと思う。タンスの肥やしという言葉があるが、これ凄くいい言葉だよね。ゴミじゃなくて肥やし。意味がない買い物ではない。それにヤフオクには古着しかないわけでなないし)。嫌いな試着もない。自分は他人の着た服でも別に問題にしない。普段の服もヤフオクで済ませるようになる。
最新の服でもないけれど、そこは別に気にしないな。一年で流行遅れってことはないし、よっぽど流行り廃りのあるアイテムでは無い限り問題ないと思う。というか、あまり流行りを追っかけて服は買わない。リサーチ無しでたまたま良いな、って思って買った服がトレンドだったってこともあるけど。
「うわ、あいつの服、あのブランドの5年前のやつ、まだ着てるのかよ」なんて思われる事なんてファッション関係の人でないと無いだろう。周りの目は気にしない。
最初は、着回しとかサイズ感とかブランドとかわからないだろう。
それでもポチる……でも闇雲だとお金がいくらあっても足らないので、制限を設ける。
一度に入札する数とか、金額制限とか。
僕の場合、当時はキャリアがソフバンじゃないし、プレミアム会員でもなかったので、入札限度額が4999円までだった。
そして、ハイブランドを狙う。
4999円でハイブランド? そんなの落札できるの?
実は結構できる。
ボロボロだったり、偽物だったり、奇抜すぎたりのリスクは当然有るが、結構簡単に落札できるのだ。僕の場合、10年前に落札した服で今でも着ているモノがある。
漫画にもあるとおり、高いものが良いというのは、幻想だ。でも、ハイブランドがハイブランドたる理由、高価なりの理由がある。
失敗する内に、自分に合うサイズや好きなブランドが見つかるはずだ。
ブランドがわかんねーよ、って場合は、ヤフオクにブランドカテゴリーがあるので、そこから選ぶ。あんまりにもメジャーなブランドはオススメしない(びとんとかぐっちとかね)。競争率、コピー品などのリスクが高まるし、ゲット出来てもまわりから妙な目でみられるし(うわー、あいつ急にブランド物を着出したよ)。
ブランド一覧みたいなサイトから探すのもいいだろう。有名ブランドから独立した(人の名前なのに、そいつがデザイナーってわけじゃないのだ)ばかりの人のブランドとか、漫画にも登場したけど、有名ブランドの下請け製造をするファクトリーブランドや消滅・日本撤退したブランドなんかが狙い目だ。
おそらく、沢山失敗をするだろう。
難易度の高い服、偽物、サイズ違い、ボロボロの服、インポートモノで日本人体型にあわない(悲しいよな。あいつら、どうしてあんなに腕が長いんだろう)。
それでも一度は袖を通し、似合う似合わないか判断しよう。
人間にはカッコイイかカッコ悪いか判断する能力がある。それは人間生来の能力である。
そんな訳ない、自分にファッションセンスなんてないと思う人もいるかもしれない。でも、君のお気に入りの持ち物の中の何一つ、カッコイイって思って買った事なんて一つもないなんてことはないだろう。客観的に見れない、って場合は、恥ずかしがらずに家族や友人に見てもらおう。その場合、驚くほど的確に評価してくれるだろう。
仮に人からダサいと思われてもいいじゃない。
自分が好きな格好なら。
服はTPOを考えて着るっていうけど、他人の為に着る服なんて、最高にツマラナイ。
落札できなくても、その過程で沢山の服を見れるし、説明文をみれば、どんなブランドなのか、ファッション用語などの知識が増える。初めて知ったブランドは調べる。わからない言葉も調べる。オタク気質の人なら楽しいはずだ。実は服が好きって人でも、お気に入りのブランド一辺倒のコレクション気質なだけだったりで、知識はおざなりな事が多いのだ。
さあ、ポチれ。
次回は、「ブランド志向を捨てる」。