毒雲日記

冴えないワ・タ・シのポイズンダイアリー

ダーリン・イン・ザ・フランキスとわたしを離さないで

アニメを3話までしか見れない病という不治の病から完治した。

正直、トップをねらえ!や、グレンラガンやキルキラルのノリはあんまり好きではなかった。アニメ好きのアニメというか、アニメーションは凝っているけど、話はいまいちに感じていた。

今作も最後の方はいつもの感じで「な、なんだってー(棒読み)」な展開から仲間との永遠の別離へいたり、個人的には良いラストだとは思わなかった。

 

ラストのタイトル「わたしを離さないで」から連想するとおり、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」から着想を得ているのは間違いない。

寄宿舎に臓器移植用のクローン児がくらす「わたしを離さないで」と、叫竜と戦うために人体強化をほどこされた子供たちが暮らすミストルティン。

風の谷のナウシカふしぎの海のナディアエヴァトップをねらえ!グレンラガンなどたくさんのアニメのオマージュが散りばめられていたが、純文学の要素が新鮮に感じられた。「ダーリン」で鬼なのはラムちゃんからきてるのかな。

 

本作のヒロイン02は、人間になるために同乗者の命を犠牲にする酷いキャラクターであるが、もともと人体実験で酷いことをしてきたのは人間である。愛するダーリンがその人間であるという軋轢はもうちょっと深く描けたらよかったかもしれない。名前がセロツーなのはイマイチだよな〜。ニコとかにすればいいのに。

イチゴのビジュアルは近年で一番好みだった。

主人公のヒロはいまひとつ魅力を感じられなかった。

ミツルはビジュアル、内面共に良かった。

 

今回の黒幕であるところのVIRMと人類が相容れない存在であることを、もう少し突き詰めてみても良かった気がする。

皮肉なことに、ヒロとゼロツーは一体化して、深く結びついた状態になってしまう。それってVIRMとどう違うの?

「キスができないじゃん!」って言ってくれれば、こんなに明瞭でテンションの上がる答えはないのにな。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)