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毒雲日記

冴えないワ・タ・シのポイズンダイアリー

シン・ゴジラの感想(ネタバレ有)

https://www.instagram.com/p/BIh1dxegrlY/

エヴァンゲリオンの監督、かつ特撮映画にも造詣が深いことで有名な庵野秀明監督による、東宝映画配給のゴジラが復活。

公開初日の反応を見て、自分が見に行く日がスゴく待ち遠しい映画だった。

正直スゴく良い映画。僕は大満足。でも、一緒に行った友達が言う不満も理解できる。

決して完璧だとは思いません。

 

以下ネタバレありますので、ご注意ください。

 

 

◯良かった点

この映画は東日本大震災と雑多な政治問題(自衛権、外交問題、環境問題)をゴジラに置き換えた映画で、今、日本が抱えている問題を集約した事はとても評価できる。

ゴジラ出現と言う「想定外の事態」という聞き覚えのあるフレーズの状況に対して、対応する政府の右往左往っぷりは、シニカルかつ喜劇的。

内閣総理大臣は責任をとるためだけの存在で、簡単に替えが効くというのは痛烈だった。

エヴァを見ていればニヤリとするテロップ、BGM、構図が散りばめられている。

ゴジラ

である。

 

アメリカ版のゴジラでは、武器弾薬が簡単に消費されていくが、日本においては沢山の手続き承認を必要とし、一発一発の重みが違う。この描写は素晴らしかった。そんな弾丸がまったく効果を発揮しないのは、「ATフィールド」を持っているからじゃないか、なんて笑ってしまった。

 

核分裂によるビーム攻撃は、過去のゴジラの中でも類を見ない威力で、東京の街が一気に炎に包まれるシーンは圧巻の一言。脳裏にナウシカ巨神兵の炎の7日間が思い浮かんで、同時に笑いも誘う。背びれからの全方位レーザーもカッコイイが、最終段階が尻尾の先からレーザーというのは少しスケールダウンな気がする。ガイバーみたく胸筋が開いてメガスマッシャーとかだったら、面白かったんじゃないかな? (最近読んだ)

 

ゴジラのモーションは歌舞伎役者の野村萬斎が担当しており、無駄な動作がなく、粛々と進んでいく姿は、なんだか凄みを感じる。

 

ゴジラを倒す手段が戦争兵器ではなく、凝固剤という薬品であり、おそらく製造には日本中の民間企業が担当している点も良かったと思う。絵的な派手さは犠牲になってしまい、この点を不満に思うこともあると思う(それとポンプ車で薬品を送り込むっていう手段も無茶がある。エヴァヤシマ作戦の電力供給の絵面とシンクロさせたかったんだろうけど)。

 

同時に提案されるアメリカを主とする国連の核攻撃に際して、その実行を一歩踏みとどまらせる一つの要因が「他国からの日本への愛」という点は、グッとくるシーンだったと思う。確かに問題点も一杯あって、うだつの上がらない国だけど、やっぱり愛着あるし、いい国だと思うんだよね。

 

タイトルも素晴らしいと思った。

「新・コジラ」、「神・ゴジラ」、「罪・ゴジラ」、「真・ゴジラ」どの文字を充ててもいい。

 

沢山の登場人物が居るが、実際はゴジラとほとんど肉薄しない。まるでテレビ越しの戦争報道を見ているようだ。これは意図した演出なのかもしれない。キャッチコピーを見て思った。

 

◯イマイチな点

エヴァ新劇場版:Qの不満点と同じなんだけど、エンターテイメントとしてラストにかけて盛り上がりが欠ける。

ゴジラを倒すプランが粛々と進み、波乱もなく完遂してしまう。映画のセオリーとして、最初に立てた計画は上手く行かず、ハラハラドキドキ、見落としていたヒントが見出され、第3のプランで一件落着ではないか。事後報告で核攻撃のタイムリミットはあと1時間でしたでは……。

 

凝固剤が効果を表すには冒頭で疾走したミキ(でしたっけ?)という教授の残した細菌だったかのデータが必要なのだが、これを見つけるタイミングがもっとギリギリでも良かったんではないか。

 

あるいはもっと、違うもの……。残酷な想像だけど、ゴジラは食事が必要じゃないので、逆に食べ物を与えることで殺すことができる……とか。このギリギリのタイミングで食料となるものは何か。政治家や自衛官は、本当に国のために自分の身を犠牲にできるのか。

凍結というラストで、次回への含みを持たせたかったのかもしれないが、ラストは少し退屈だった。映画の最後、尻尾の先におそらくゴジラ第五形態と思わしき、人型が折り重なったような描写が見られる。そのまま進んでいたら、この人型ゴジラが世界に拡散していたのだろうか? 別にラストに持って行かなくても良かったのでは?

 

それでも、とても良い映画だったと思う。ハリウッド版ゴジラでは描けない、日本のゴジラならでは、という出来だった。庵野秀明監督は、実写映画の監督になってしまうのではないか……エヴァは完結しないんじゃないか、そんな危惧すら覚える映画だった。

 

映画のラストはハラハラしなかったが、映画の感想を喋っているのに夢中で、映画館に財布を忘れてしまった。見つかったから良かったけど……そんなハラハラで補完しなくてもいいのに(自分のミスだろ)!

 

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